お正月の「縁起物」
本日も、ご訪問ありがとうございます
京都の四季とCobaのお花と共に暮らす日常をお便りします♪
新しい年を迎えるのに欠かせない「正月飾り」
その中でも、正月花(お正月向けに生けられる花や植物)は、
お正月らしく家の中を飾ったり、
お年始の挨拶に来られたゲストをおもてなししたり、
お年賀として贈ったり・・・
“新しい年も、幸せがたくさんありますように”
お正月に欠かせない正月花には、そんな気持ちが込められています
そんな正月花には、『縁起物』を選んでみたいものですね
本日は、お正月によく使われる代表的な『縁起物』を、
ご紹介したいと思います
松
お正月は『年神様』を家に迎えての新しい年の始まり、
新しい生命をもらう儀式の日です
正月は別名に【松の節句】があります、ここからも良く分かりますね
神様が来る目印になる為に、高く大きく目立つものが考えられました
そこで、神様がよる“依代(よりしろ)”として「門松」を建てたといいます
「門松」の始まりは、神様が降臨する“依代”として、
庭に1本の大きな松の木を立てたことによります
日本の伝説や昔話の中にも度々、神様が降り立つ場所として松が登場しますね
また、松は常緑樹で、一年中葉を落とさず青々としているので、
“永遠の命”を象徴し、縁起の良いものとして考えられています
また、樹木の中でも樹齢が数千年のものもあって、
“長寿”、“不老”といったお目出度いものとされています
松は「若松」が正月花として一般的で、
他にも「根引き松」や「大王松」なども使われますよぉ
竹
寒い冬にも葉を落とさず青々としているうえ、
曲がらず真っ直ぐな性質、真っ直ぐに伸びる沌枠な姿と
等間隔に秩序正しい節目が“節操”を象徴しています
そして嵐や強風の中でも折れない、
しなやかな佇まいが縁起の良いものとされています
また竹は成長が早いので“生命力”を意味します
ただ竹を挿して飾るだけではなく、生花の器にしたり、
「ラッキーバンブー」とも呼ばれる「万年竹」を使ったりする場合もありますよ
梅
梅は様々な花に先駆けて早く咲き、
実を宿すので“出世”、“開運”を意味します
そして厳しい寒さの中で芳香を漂わせ、
清らかな花を咲かせるところから縁起の良いものとされています
松・竹・梅は“歳寒三友”、“厳寒三友”と称して、
『縁起物』として尊ばれていますよ
お正月にはお目出度い「紅梅」と「白梅」を飾りましょう
菊
菊は秋の花ですが、現在では年中手に入るので、
よくお正月にも利用されていますね
菊は晩秋の寒さの中で鮮やかに咲く姿が“生命力”の強さを思わせます
長生きできると信じられています
この事から、“高貴”なものとして、また“不老長寿”の花とされています
“延命長寿”や“厄除け”の意味ももっています
お供え用(仏花)に見えてしまう「輪菊」と「小菊」は避けて、
可愛らしく見栄えのする菊を選ぶとよいですねぇ
蘭
中国の水墨画の世界で、その高潔な姿から君子に例えられ、
【四君子】と呼ばれる松・竹・梅・蘭(「松」ではなく菊の場合も)は、
日本でもお目出度い柄として知られています
ほのかな香りと花に気品があることから
正月花には欠かせない花材とされていますね
葉牡丹
葉牡丹は「牡丹」の代わりに使われてきたとされています
「牡丹」は別名「富貴花」といって“花の王様”、“百花の王”とも呼ばれ、
貴重でお目出度い花です
葉牡丹は「牡丹」とよく似ていることから、
江戸時代には「正月飾り」として親しまれていたという記録があります
重なり合った葉が「牡丹」の花のように美しい事から、
「牡丹」の代用品として広く広まったとされています
葉牡丹は紅と白の2種類ありますね
お正月には縁起の良い紅白の色合いで飾ってみるのが良いですねぇ
千両、万両
寒い季節に赤い実を豊かにつける貴重なものであることから、
花や葉、実の少ない時期のその価値は
千両・万両のお金に値するという意味から名づけられたとされています
このお目出度い名前で、お正月の花に欠かせない花となっていますね
お金の意味の名前がついていることから、
“商売繁盛”、“金運向上”などの『縁起物』となっています
千両と万両は全く違う種類の植物で、
千両は葉の上の方に実をつけます
その為、実を鳥に食べられやすいのです
万両は葉の陰に実をつけるので見つけにくく、食べられにくいのです
その為、実が多く残っているから万両となったという説がありますよ
今季千両は、橙色のものもよく見かけて、
これもまた可愛らしいですねぇ
南天
南天は“難を転じて福となす”というのに通じて、
古くから“悪魔降伏の木”、“不浄汚れを払う”とされてきました
昔は住宅のほとんどの庭には、必ず南天が植えられてきました
ブドウの房状の赤い実が美しく、枝の先から生える細長い葉も美しいですね
万年青
万年青(おもと)はその名の通り、
年中美しい緑の葉と冬に美しい赤い実がつきます
新しい葉は古葉と向かい合わせに伸び、
新しい葉が成長すると古い葉が朽ちてなくなります
年中美しい緑の葉の姿から、“永遠の繁栄”、
またその葉同士の間に実を持ち、代々が一株であることから“子孫繁栄”、
“不老長寿”などの意味からもお正月に喜ばれます
椿
椿は花首からぽとっと落ちますので、
武家社会では“首が落ちる”と避けられていたようで、
その名残であまり良いイメージを持たない人も多いかと思います
しかし近年では真冬の寒い中美しい花を咲かせる椿の美しさから
お正月のお花に用いられます
また白の椿は純白、“新しい始まり”をイメージするものとして扱われますよ
薔薇
“春が長く続く”とか“春が長きに渡り続く”という意味があります
そこから、“四季を通じて花がある”という意味もあって、
お目出度い花とされます
紅白の色合いで使ったり、洋室に飾る正月花にはとてもよく合いますね
枝垂柳
お正月には金銀に化粧された「柳」や「結び柳」として飾られます
「柳」は中国の古俗にならったもので、
遠方へ旅立つ人が無事に目的地につけるように、
柳の枝を手折って環をつくり、それを餞としたことに由来します
新年に飾ることで、新しい年が無事に過ごせるように願って飾ります
橙
橙(だいだい)は冬を越して翌年になっても実が落ちないため、
“だいだい”が“代々”を連想させて、お正月の「しめ飾り」に用いられますね
“代々”から“子孫繁栄”という願いが込められています
橙は実が熟すと青から、冬に橙色に変わりますが、
木から落ちずに大きく実り、まま次の年の夏まで残るものがあります
そうすると橙色からまた緑になるんだそう・・・
そこから、「回青橙」 という別名もあるといいます
裏白(うらじろ)
葉の裏面が白い事からウラジロといいます
裏白の葉はお正月の「しめ飾り」やお餅の橙の下に使います
裏が白いことから、“後ろ暗い事のないように”ということで、
飾る場合は裏の白い面を表にします
また、裏が白いということから、“共に白髪が生えるまで・・”という説もありますよ
また葉の形が漢字の八に見えて、
末広がりで縁起が良いいとされています
裏白もまた、古い葉が枯れても必ず次の新しい葉が生えてきて、
枯れてなくなることがないことから、
“常に栄える”、“子孫繁栄”などの意味とされるんですよ
譲葉
5月5日の【端午の節句】の「柏」と同様に、
新しい葉が成長した後に古い葉が落ちるため、
“子孫繁栄”と言われています
古い葉の親の代から新しい葉の子の代へ・・・、
また、子の代から孫の代へ・・・・と
順々に世代交代し続いていくという願いを結びつけて用いられていますよ
厳しい寒さの中にも咲き、
美しい花と大変良い香りがあることからお正月の花によく使われます
雪の中でも咲き、いち早く春の訪れる様に咲くので「雪中花」という別名があります
水仙は中国の漢文に出てくるものから付けられたようで、
美しい花の姿と強い芳香のある姿が、
まるで“仙人”のようなところから命名されました
その漢字の意味からも大変お目出度いお正月の花として使われます
福寿草は「元日草」、「朔日草(ついたちそう)」の
新年を祝う花のにふさわしいお花です
如何でしょうかお正月によく使われる『縁起物』
代表的なものをご紹介してみましたが、まだまだ沢山ありますよ
“新しい年も、幸せがたくさんありますように”
そんな願いを込めながら、お好きな正月花を飾って、
お正月を素敵に演出されてみては如何でしょうかぁ