・秋のお彼岸・
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京都の四季とCobaのお花と共に暮らす日常をお便りします♪
秋のお彼岸のお花、彼岸花についての続きです
またはマンジュシャカ)』とも呼ばれていますねぇ
海の精であるネレイドの一人、
「Lycorias、Lycoris」の名前から採ったものと言われています
『曼珠沙華』は、“天上の花”という意味で、
“おめでたい事が起こる兆しに、赤い花が天からふってくる”
という仏教の経典によるんですって
前回、白い彼岸花もあるとお話ししましたね
彼岸花は赤色だけと思いきや、
白色も黄色もあるんですよぉ
仏教でいう『曼珠沙華』は「白くやわらかな花」であって、
彼岸花の外観とは似ても似つかぬものなんだとか・・・
又、彼岸花には異名が多く、
「死人花(しびとばな)」、「地獄(じごくばな)」、
「幽霊花(ゆうれいばな)」、「剃刀花(かみそりばな)」、
「狐花(きつねばな)」、「捨子(すてごばな)」、
「はっかけばばあ」呼んで、
日本では不吉であると忌み嫌われることもあったりします
反対に“赤い花・天上の花”として、
おめでたい兆しとされているんですから、何とも不思議ですねぇ
彼岸花の名は、秋の彼岸ごろから開花することに由来しています
花が咲いたの後で葉が伸びてきますが、
冬と春を越して夏近くなると葉は全く消えてしまいます
この“花と葉を同時に見ることはできない”という特徴から、
日本では「葉見ず花見ず」ともいわれます
花と葉が同時に出ないことから
“葉は花を思い、花は葉を思う”という意味で
「相思華(サンチョ)」と呼ぶんだそうですが、
同じ特徴をもつ彼岸花も「相思華」と呼ぶことが多いんですって
こちらがその、『夏水仙』です
彼岸花には多くの異名があったり、
名の由来の別の説に、
“これを食べた後は彼岸(死)しかない”というものもあったりと、
不吉であると忌み嫌われることもありますが・・・
彼岸花の根のところには「リコリン」という毒があって
この毒は水で何回もさらせばとれるので
昔の人はこの根の部分からデンプンをとって
飢饉の際の食料としたんだとか
又彼岸花は田んぼのあぜ道や土手で
見かけることが多かったりしますよねぇ
これはノネズミがあぜ道や土手に穴を開けるのを、
彼岸花の毒性のある球根を植えることで防ぐためなんですって
また、彼岸花の根茎は強いため、
田んぼのあぜ部分に植えて、あぜの作りを強くするためと言われていますよぉ
そしてまったく話はかわりますが、
お彼岸と言えば、おはぎですよねぇ
んおはぎぼた餅
見た目は同じ気がするのですが・・同じもの違うもの
実は、基本的には同じもので、
地域や季節によって呼び名や作り方が変わるんですってぇ
漢字で書くとお萩と牡丹餅なんですよぉ
もち米とうるち米を混ぜて炊き、
適度につぶして丸めたものを小豆あんで包んだ和菓子です
小豆の粒を『萩』の花に見立ててお萩、
『牡丹』の花に見立てて牡丹餅と呼んだそう
おもちは五穀豊穣、小豆は魔除け(小豆の赤色には、
災いが身に降りかからないようにするお呪いの効果があるんだそうですよ)
に通じることもあって、
日本の行事に欠かせないものということですねぇ
また、今と違って昔は甘いものが貴重だったため、
お萩・牡丹餅といえばご馳走で、
大切なお客様、お祝い、寄り合いなどでふるまわれ、
法要の際にも必ずお供えしていたといいます
“棚からぼたもち”(労せずして
思いがけない幸運がめぐってくることをの例え)と、
幸運の象徴にされていることからも、
いかに人々の暮らしに根付いていて、愛されていたのかが解りますよねぇ
ちょっぴり違うお萩と牡丹餅
【呼び名】
春に咲く『牡丹』の花にちなんで、春はほたもちといい、
牡丹餅と書きます
秋は『萩』の花にちなんでおはぎといい、
お萩と書きますよぉ
【形の違い】
『牡丹』は大きくて丸い花、『萩』は小さくてやや細長い花
そこで、ぼたもちは大きめで丸い形に、
おはぎは小ぶりで俵の形に作ります
【あんの違い】
材料となる小豆は秋に収穫されますねぇ
よって、とれたての小豆が使える秋は、皮ごと使った「粒あん」に
冬を越した春は、かたくなった皮を取って「こしあん」にして使っていたといいます
現在は、こうした違いに拘らないものが多くなっていますが、
本来は春と秋で区別していたわけですねぇ
(また、小豆あんをぼたもち、
きな粉をまぶしたものをおはぎと呼んだり、
米粒が残らない餅状につぶしたもの(俗称:皆殺し)をぼたもち、
米粒が残ったもの(俗称:半殺し)をおはぎと呼ぶなど、
地方によっても様々です)
さらに、夏と冬にも呼び名があるんですって
夏は『夜船』、冬は『北窓』
知りませんでした初耳です
杵を使って本格的な餅つきをする必要がなく、
静かに作れることから、こんな言葉遊びをしたんだとか・・・
夏は、
(餅なのに)いつついたのかわからない
↓
(夜の闇で)いつ着いたのかわからない
↓
『夜船』
冬は、
(餅つきをしなくてもいいので)つきを知らない
↓
(北向きでは月が見られないため)月を知らない
↓
『北窓』
牡丹餅、『夜船』、お萩、『北窓』と、
春夏秋冬の呼び名があるなんて洒落てますよねぇ
小さな疑問からこんな風流なお話しに行きつくなんて・・
今度はお彼岸いついて、もう少しつっこんでお話ししたいと思います
御期待下さいませぇ~